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コラム

創エネ・再エネ
アパート・マンションで太陽光発電が今後も増えていく理由

太陽光発電の導入が進む中、特に住宅を中心として、「太陽光設置を義務」とする自治体も見られるようになり、アパートやマンションへの設置も増加しています。

今回は、アパート・マンション向け太陽光の現状と、最適な設置のポイントをお伝えいたします。

 

1.アパート・マンションは昨対比253%の急増

不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」では、2025年4月から始まった東京都の「太陽光発電設置義務化」に際し、現在の太陽光発電の設置状況を調査しました。

 

【調査内容】

①集計方法
「LIFULL HOME’S」に掲載された物件のうち、“太陽光発電”のワードを含む物件掲載数を全国・東京都・東京23区の3種類に分けて調査

②集計期間
2021年1月~2025年1月

③集計対象
賃貸物件、新築/中古マンション、新築・中古戸建て※いずれも戸数

 

【結果】(賃貸物件の太陽光設置済み物件掲載数)※延べ掲載数:戸

2021年:27,672戸
2022年:53,772戸
2023年:128,412戸
2024年:325,488戸

 

上記の通り、直近2024年においては前年比253%増となっており、急激に太陽光設置が進んでいることが伺えます。

昨今の電気代高騰や、ZEHへの取り組みだけでなく、2022年度からのFIT・FIPの売電に関する「10~20kWの集合住宅における自家消費要件の緩和(※)」なども挙げられるでしょう。

(※)FIT・FIP制度を活用した売電を行う場合、小規模な太陽光発電(10~50kWの低圧)については、2020年度より「地域活用要件」が設定され、「30%以上の自家消費等を実施する」、「災害時に自立運転を行い、給電用コンセントを一般の用に供する」という条件が課せられています。

ただし、アパート・マンションなどの集合住宅では、太陽光で作った電気を、共用部等でしか使用できないケースが散見され、30%以上の自家消費等を行うために、太陽光設置可能面積より、小さい範囲で、太陽光パネルを設置せざるを得ない状況となっていました。

これを受け、「10~20kWの集合住宅」においては、自家消費を行う構造(単線結線図などで自家消費を実施することが分かる設計)が確認できれば、実際の自家消費率が30%未満でも「30%以上の自家消費等を実施しているものとみなす」ということになり、より大きな容量の太陽光発電設備を設置するケースが増えました。

 

2.初期投資支援スキームを使ってより効果的なプランも可能に!

本ホームーページでも掲載している「初期投資支援スキーム」は、2025年10月より開始されます。制度としては、大きく2種類あり、以下の様な単価で売電することが可能です。

※このスキームは「全量売電(作った電気をすべて売る)」ではなく、「余剰売電(作った電気は自家消費し、余った電気を売る)」モデルが対象です。

 

①10kW未満
1~4年目:24円/kWh
5~10年目:8.3円/kWh

②10kW以上
1~5年目:19円/kWh
6~20年目:8.3円/kWh

上記の様に変更となり、オーナー様にとっては、経済効果の高い太陽光設置ができる場合があります。

ここで設置した場合の一例をご紹介させていただきます。

 

【太陽光導入条件と簡易試算】

設置費用:3,000,000円
設置容量:太陽光パネル容量20kW、PCS容量9.9kW

①予想設置容量20.00 kW
②年間発電量(初年度)20,420 kWh
③自家消費比率10 %
④うち自家消費量2,042 kWh
⑤電気料金単価22.50 円/kWh
⑥電気代削減額(初年度)45,945 円/年
⑦余剰売電量18,378 kWh
⑧余剰売電単価(1~4年目)24 円/年
⑨売電収入額(初年度)441,072 円/年
年間経済メリット(⑥+⑨)487,017 円/年
投資回収年数10
表面利回り10.2 %

※投資回収年数は、単年の収益ベースによる計算ではなく、毎年の収益の累計額をベースに算出しています。(初期投資支援スキームでは、期間により買取単価が変更となるため)

※あくまでも、想定値での試算結果となりますので、実際の電気使用状況や屋根面積、屋根状況などを現地確認させていただき、詳細シミュレーションを作成させていただきます。

 

3.今後の見通し

新聞やTVでも多く報道されている通り、日本は2050年カーボンニュートラルを宣言しており、そのために再生可能エネルギー由来の電源をさらに拡大していくことが求められています。

FIT制度が縮小する中、太陽光の導入スピードが鈍化している実情もあり、
今回の初期投資支援スキームは、その名前の通り「初期投資を早めることで、導入を加速させていく」という側面があります。

田畑や雑種地等だけでなく、建物への導入も喫緊の課題であり、アパート・マンション等の集合住宅においても、本スキームを活用した導入が進んでいくと考えられます。

過去検討されて断念された方でも、再度導入シミュレーションを作成してみることをオススメいたします。

弊社では、アパート・マンションの他にも、工場、倉庫、店舗、公共施設、福祉施設など、さまざまな施設でのご提案・設計・施工・メンテナンスも対応可能です。

ご関心がございましたら、ぜひお問合せください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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