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コラム

創エネ・再エネ
経験から見えた「住民説明会」で本当に大切なこと-工場責任者が知っておきたい住民説明のポイント-

近年、太陽光発電設備などの再生可能エネルギーは、企業の環境配慮やレジリエンス向上の象徴として注目されています。ですが、どんなに良い取り組みでも、住民への説明や配慮を誤れば、摩擦や不信感につながりかねません。

特に、工場のように日常的に稼働する施設が新しい設備を導入する場合、住民は「生活環境が変わるのではないか」と敏感に反応します。

弊社も設備導入に伴う住民説明会に参加し、その重要性を改めて実感しました。今回の工場屋根上の太陽光設備だけでなく、他の設備導入にも共通するポイントを実体験から紹介します。

設備より先に「姿勢」が見られている

説明会は導入する設備を説明する場…と思いがちですが、実際には「工場や企業の姿勢」が最初に問われます。住民が知りたいのは「この工場の人は、自分たちの生活をどう考えているのか」。設備の内容や性能の説明はその後です。

住民の関心は「導入目的」より「生活への影響」

企業は設備の導入目的としてCO₂削減や電気料金削減、防災対策などを強調しがちですが、住民が最も気にしているのはシンプルです。

「日常に変化はないのか」
「これまで通り安心して暮らせるのか」

反射光、騒音、景観、安全性、農作物への影響―これら生活に直結する問題を曖昧にしたままでは納得は得られません。

抽象的な説明は不安を大きくする

例えば、太陽光パネルの反射光の説明で「問題ありません」と断言するより、シミュレーションや画像を用いて「いつ」「どの方向に」「どのくらいの時間」影響が出るのかを具体的に示すことが重要です。

時間帯や季節ごとの違いを示し、「最大でも数分程度」「特定の方向のみ」と範囲を明確にすることで、住民は自分の生活に置き換えて安心できます。

 

※上記は、説明資料として弊社でシミュレーションを行いました

「起きない」よりも「起きたらどうするか」

「問題は起きません」と断言するより、「もし起きたらどう対応するか」を示す方が安心につながります。

問い合わせ先はどこか
誰が責任を持つのか
改善にどう取り組むのか

こうした点を自分たちの言葉で伝えることが信頼につながります。完璧な設備よりも「責任を引き受ける覚悟」が大切です。

住民は資料より「説明する人」を見ている

住民が見ているのは、資料や投影スライド以上に「説明する人の態度」です。 質問に対して冷静に対応する、自分の言葉で話す、急いで終わらせようとしない―こうした姿勢が信頼を積み重ねます。

説明会は「一度きり」では終わらない

説明会は、導入前、導入直後、運用開始後と段階ごとに情報を共有し続けることが大切です。連絡が途絶えると「置き去りにされた」と感じられてしまいます。
「これからも関係は続く」というメッセージを示すことが、長期的な安心につながります。

本質は「共存できる工場かどうか」

住民説明会は設備を理解してもらう場ではなく「この工場となら共にやっていける」と感じてもらう場です。―これこそが私たちが実体験から学んだ「住民説明会で本当に大切なこと」です。

太陽光発電設備を地域の資産に

太陽光発電設備は単なる企業の経費削減や環境対策にとどまらず、住民の理解と安心が加わることで地域にとって価値ある資産になります。

工場は広い敷地や堅牢な建屋、電力設備などを備え、災害時にも機能し続ける可能性を持つ施設です。そこに太陽光発電設備が加われば、停電や災害時にも地域を支える存在となり得ます。再生可能エネルギー設備の導入は環境対策であると同時に、地域防災への貢献でもあります。

導入設備が企業だけのものでなく、地域のためになることをお伝えすることも重要な事項です。

 

弊社は「エネルギーサービス業」として、再エネ・省エネ設備導入に関する疑問にお答えし、お客様の環境・エネルギー課題の解決をご提案しています。 設備導入をご検討の際には、ぜひお気軽にご相談ください。

これからも皆さまに役立つ情報を定期的に発信してまいります。ぜひご覧ください。 最後までお読みいただきありがとうございました。

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