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コラム

脱炭素
CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)とは?わかりやすく解説!2021年の回答状況は?

1.「CDP」とは?

ESG投資の拡大を背景に、投資家が企業に対し環境情報の開示を求める動きが活発化しています。

その中、英国の非政府組織(NGO)である、「CDPカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)」は、機関投資家と連携して、企業、国家、地域、都市に対して、環境関連の情報開示を求めるプロジェクトを行っています。

具体的には、企業などに環境戦略や温室効果ガスの排出量などに関して質問書への回答を求め、一定の評価基準で「A」から「D-」までランク付けをして、データを公開しています。
無回答企業のスコアは「F」となります。

CDPは、企業や自治体の環境への影響について世界最大のデータセットを保有しているため、CDPに基づいた意思決定を行う世界中の投資家や企業が増えています。

2.「CDP」のしくみ

まず、機関投資家がビジネスの意思決定や取引企業とのエンゲージメントに活用するため、対象企業にCDPの情報開示要請を行います。

次に、CDPが環境に関する質問書を作成し、回答要請を受けた企業は、CDP質問書に回答します。

その後、CDPがCDP質問書に回答した情報を開示し、回答を基にスコアリング・分析を行います。

3.「CDP」の規模

署名投資家
CDPの投資運用総額106兆米ドル超となっています。

2021年の世界のCDP署名投資家数は590を超え、日本においても18の機関が署名しています。

回答企業・都市数
9,600社を超える企業が回答しています。また800以上の都市、120を超える州・地域が環境インパクトを開示しています。

4.「CDP」の3つの質問書と内容

「CDP」には
気候変動 ②森林コモディティ ③水セキュリティの3つの質問書があります。

主な質問には以下のようなものがあります。

主な質問
気候変動ガバナンス
リスク・機会
事業戦略
目標と実績
排出量算定方法
GHG排出量
排出量詳細
エネルギー
カーボンプライシング
エンゲージメント(協働)
森林コモディティ現状
ビジネスへの影響
手順
リスクと機会
施設別水のアカウンティング
ガバナンス
ビジネス戦略
目標
水セキュリティコンテクスト
トレーサビリテイ
ターゲット・認証基準
リスクと機会

このうち気候変動の質問書は、TCFD(気候変動関連財務 情報開示タスクフォース)の 提言に沿った質問内容となっています。

5.「CDP」の3つの質問書とAランク企業

2021年のCDP評価で
①気候変動でAランクとなった日本企業は56社回答数427社)、
②森林コモディティでAランクとなった日本企業は37社回答数223社)、
③水セキュリティでAランクがついた日本企業は2社回答数57社
となっています。

そのうち日本企業でいうと、不二製油グループさまや花王さまは3つすべてAランクを獲得しています。

6.セクター別質問書とは?

下記のセクターに該当する企業は各々の「セクター別質問書」に回答をする必要があり、いずれのセクターにも該当しない企業は、「一般質問書」に回答する必要があります。

 セクター
気候変動農産品・食料・飲料・タバコ・製紙・林業・石炭・電力・石油・ガス・セメント・化学・金属・鉱業・鉄鋼・輸送機器製造(OEM)・輸送機器製造(エンジン部品)・輸送サービス・不動産・建設・資本財・金融サービス
森林コモディティ石炭・金属・鉱業・製紙・林業
水セキュリティ食料・飲料・タバコ・電力・石油・ガス・化学・金属・鉱業

例えば「化学」セクターの企業は、気候変動・水セキュリティについては、「セクター別質問書」に回答しますが、森林コモディティについては、「一般質問書」に回答することとなります。

セクター別質問書には、セクター固有の質問があり、その質問によって、環境インパクトをより明確に分析することができます。

7.CDPサプライチェーンプログラムとは?

CDPは「投資家」が「世界の上位企業」に対し環境の取組に関する質問への回答要請を行うしくみである、とお伝えしましたが、「サプライチェーンメンバー企業(上位企業)」がその「サプライヤー(中小企業や非上場企業含む)」に対して回答要請を行う仕組みがあります。
これを「CDPサプライチェーンプログラム」といいます。

サプライチェーンメンバーは155社以上に拡大していて、そのサプライヤーは15,000以上となっています。

例えば、「気候変動」質問書ではScope1~2のGHG算出とScope3の排出の説明が求められているため、「気候変動」質問書への回答要請を受けたサプライヤーは、GHG排出量を把握し、脱炭素に取り組まなければなりません。

そのため、サプライヤーである中小企業においてもScope1~2の排出量削減が必要となる可能性は十分にあります。

まず、お付き合い先にCDP回答企業がないか、一度確認してみてはいかがでしょうか?

参考:CDP  https://japan.cdp.net/

8.最後に

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