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コラム

脱炭素
地域脱炭素移行に向けて

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、
環境省は2030年までに地域での再エネ倍増に向けた取り組みなどにより、
次々と脱炭素を実現する「脱炭素ドミノ」を生み出すことを掲げています。

本日は、地域での脱炭素の取り組みについてお伝えいたします。

1.地域脱炭素ロードマップで示す2025年までのイメージ

「地域脱炭素ロードマップ」では、地域脱炭素に対して意欲と実現可能性が高いところからその他の地域に広がっていく「実行の脱炭素ドミノ」を起こすべく、2025年までの5年間を集中期間として施策を総動員するとされています。

引用:環境省「地域の脱炭素に向けた取組について(2021年4月16日)

2025年までに行うことのうちの一つは「先行モデルケース」づくりです。
例えば、
・公共施設の省エネ向上・再エネ100%化
・温室効果ガスを排出しない公共交通整備
・小規模街区で再エネ・省エネ・蓄エネを活用し、IoTを用いて管理する
などがあります。

2.脱炭素先行地域について

上記のような「先行モデルケース」としての脱炭素先行地域については、2025年度までに少なくとも100か所を選定することを予定しており、年2回程度の募集を予定しています。

地域脱炭素の選定要件は以下となっています。

●       2030年度までに、脱炭素先行地域内の民生部門(家庭部門及び業務その他部門)の
   電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを実現すること
●       地域特性に応じた温暖化対策の取組(民生部門の電力以外のエネルギー消費に伴う
   CO2やCO2以外の温室効果ガスの排出、民生部門以外の地域と暮らしに密接に関わる
   自動車・交通、農林水産業等の分野の温室効果ガスの排出等についても、
   地球温暖化対策計画と整合する形で地域特性に応じ少なくとも
   1つ以上の取組を実施する計画となっていること)
●       再エネポテンシャル等を踏まえた再エネ設備の最大限の導入
●       脱炭素の取組に伴う地域課題の解決や住民の暮らしの質の向上
●       脱炭素先行地域の範囲・規模の特定
●       計画の実現可能性(計画の具体性、関係者の調整方針等)
●       取組の進捗管理の実施方針及び体制
●       改正地球温暖化対策推進法に基づく実行計画の策定等

「2030年度までに、脱炭素先行地域内の民生部門(家庭部門及び業務その他部門)の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを実現すること」の評価事項の一つには、
地方自治体で使用する再エネ電力量の割合を、可能な限り高くすることがあります。
※再エネの電力量は、自家消費・相対契約・再エネ等電力証書の活用で評価されます。

3.地域脱炭素移行・再エネ推進交付金

地域脱炭素先行地域や地域脱炭素ロードマップに基づく重点対策を先進的に実施している地方公共団体に対し、「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」が出されています。

ここでは、2025年までに地域特性に応じた取組の実施に道筋を立て、2030年度までに実行することが求められています。

事業内容は以下のとおりです。

引用:環境省 地域脱炭素移行・再エネ推進交付金

4.脱炭素先行地域が選定されました

脱炭素先行地域募集(第1回)については、令和4年1月25日から2月21日までの期間で、共同提案を含め日本全国の102の地方公共団体から79件の計画提案が提出され、26件が選定されました。

都道府県市区町村共同提案者
北海道石狩市 
北海道上士幌町 
北海道鹿追町 
宮城県東松島市一般社団法人東松島みらいとし機構
秋田県秋田市 
秋田県大潟村 
埼玉県さいたま市埼玉大学、芝浦工業大学、東京電力パワーグリッド株式会社埼玉総支社
神奈川県横浜市一般社団法人横浜みなとみらい21
神奈川県川崎市脱炭素アクションみぞのくち推進会議、アマゾンジャパン合同会社
新潟県佐渡市 
長野県松本市大野川区、信州大学
静岡県静岡市 
愛知県名古屋市東邦ガス株式会社
滋賀県米原市滋賀県、ヤンマーホールディングス株式会社
大阪府堺市 
兵庫県姫路市関西電力株式会社
兵庫県尼崎市阪神電気鉄道株式会社
兵庫県淡路市株式会社ほくだん、シン・エナジー株式会社
鳥取県米子市境港市、ローカルエナジー株式会社、株式会社山陰合同銀行
島根県邑南町おおなんきらりエネルギー株式会社
岡山県真庭市 
岡山県西粟倉村株式会社中国銀行、株式会社エックス都市研究所、テクノ矢崎株式会社
高知県梼原町 
福岡県北九州市直方市、行橋市、豊前市、中間市、宮若市、芦屋町、水巻町、岡垣町、遠賀町、小竹町、鞍手町、香春町、苅田町、みやこ町、吉富町、上毛町、築上町
熊本県球磨村株式会社球磨村森電力、球磨村森林組合
鹿児島県知名町和泊町、リコージャパン、一般社団法人サステナブル経営推進機構
引用:環境省「脱炭素先行地域選考結果(第1回一覧)」

新潟県佐渡市は、以下の提案にて脱炭素先行地域に選ばれています。

離島地域におけるEMSを活用した自立分散・再生可能エネルギーシステム導入による持続可能な地域循環共生圏の構築 離島特有のエネルギーの災害脆弱性等を踏まえ、佐渡市全域におけるにおける官民の防災・観光・教育施設(125施設)について、屋上等を活用した太陽光や蓄電池、耕作放棄地等を活用したオフサイトの太陽光、木質バイオマス発電、10地区の主要防 災拠点に大型蓄電池を導入するとともに、EMSによる一元管理等を行い脱炭素化を図る。また、公用車・レンタカーEV化、グリーン スローモビリティによる地域交通シェアリングサービス、再エネ100%EVステーションの導入等を行う。

環境省は、脱炭素先行地域を100まで増やすことを掲げており、
ますます、地方公共団体の脱炭素が加速化していきます。

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