省エネ・創エネ.com Produced by Hasegawa Electric Industries.

column

コラム

創エネ・再エネ
屋根上太陽光がよりお得に?「初期投資支援スキーム」とは?

今回は、屋根上太陽光を設置する上で、初期費用の回収を短縮化させることを目指した「初期投資支援スキーム」について、解説させていただきます。

※ご注意点
本情報は現在経済産業省にて協議中の内容となり、内容が変更になる場合がございます。ご了承のほどよろしくお願いいたします。

 

1.初期投資支援スキームとは?

太陽光発電は、持続可能な社会の実現に向けて重要な役割を担っていますが、導入にあたっては初期投資の負担が課題となる場合があります。この課題を解決するために、政府は「初期投資支援スキーム」という新たな枠組みを導入し、太陽光発電の普及をさらに加速させることを目指しています。

この初期投資支援スキームは名称の通り、
太陽光発電設備の導入初期における投資回収を早期化するための制度です。
具体的には、
「一定期間」
「通常の買取価格よりも高い価格で電力を買い取る」
ことで、初期投資費用の回収を支援します。

このスキームは、住宅用太陽光発電と事業用太陽光発電(屋根設置・敷地内設置)の両方を対象としており、それぞれ異なる支援期間と買取価格が設定されています。

●住宅用太陽光発電
・4年間の初期投資支援期間
・24円/kWh程度の初期投資支援価格

●事業用太陽光発電
・5年間の初期投資支援期間
・19円/kWh程度の初期投資支援価格

 

2.初期投資支援スキーム導入の背景

初期投資支援スキームが導入される背景には、以下の要因があります。
①国民負担の抑制
太陽光発電の導入を促進しつつ、国民負担を抑制する必要があります。

②需給近接型電源の活用
住宅用や屋根設置型の太陽光発電は、需要地に近い場所で発電できるため、系統負荷を低減し、地域共生にもつながります。

③投資回収の早期化
特に中小規模の事業者や個人住宅では、初期投資回収期間が長期化すると導入が進みにくいため、投資回収の早期化が求められています。

④系統増強費用の抑制
需給近接型電源の導入により、系統増強費用を抑制できる可能性があります。

 

3.初期投資支援スキームの仕組み

現在は正式決定前の状況ですが、初期投資支援スキームは、
以下の2つの方式が検討されています。

①階段型の価格設定
初期投資支援期間中は高い買取価格を設定し、期間終了後は段階的に買取価格を下げる方式

②支援期間の短縮
初期投資支援期間を短く設定し、期間終了後は卸電力取引市場価格で買い取る方式

※経済産業省「第100回調達価格算定委員会(2024年12月27日)」資料より

住宅用太陽光発電には、「支援期間の短縮スキーム(上図の右側)」が適用される予定で、
また事業用太陽光発電(屋根設置)には、「階段型の価格設定スキーム(上図の左側)」が適用される予定となっております。

このスキームは、「余剰売電型」という“余った電気を売電する”内容であるため、以下の様な企業が当てはまりやすいとされています。

・平日は電気を多く使うが、土日は休みなので、電気を使わない。
・建物は大きいが、そもそも電気を使う量が少ない。(太陽光をつけても電気が余ってしまう)

などです。

このような特徴に当てはまる企業様は、一度導入シミュレーションを見て検証してみることをお勧めします。

 

4.今後の展望

上記のように、現在協議が進められている初期投資支援スキームですが、制度を開始するにあたっては、以下の内容も考慮しながら進めている様子です。

【買取単価設定】
初期投資支援期間中の買取価格が高すぎると自家消費のインセンティブが低下する可能性があるため、電気料金水準よりも低い価格設定が望ましい。

【国民負担の配慮】
初期投資支援スキーム導入後の買取価格設定によっては、国民負担が増加する可能性があるため、卸電力取引市場価格の水準を踏まえた慎重な価格設定が必要。
※再エネ賦課金が増加する可能性がある

【廃棄費用の積立】
事業用太陽光発電については、FIT(FIP)期間の後半10年間で、原則外部積立により廃棄費用を積み立てることとされているが、初期投資支援スキームを適用する場合においても同様の仕組みを導入する必要がある。

いかがでしたでしょうか?

弊社でも、太陽光発電の企画・設計・施工、さらには補助金申請サポートも含め対応可能です。
さらに、空調やLED照明などの省エネ設備についても、ご提案を行っております。
脱炭素化、エネルギーコストの削減など、お困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

一覧ページへ戻る