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コラム

創エネ・再エネ
中国の増値税還付廃止で日本の太陽光市場はどう変わるのか ― 部材や今後の価格の動きをわかりやすく解説します―

1.増値税とは何か

増値税とは、中国で使われている税金のしくみで、日本の消費税とよく似ています。これはヨーロッパで使われている付加価値税と同じように、商品やサービスが生み出した“付加価値”に対して税金がかかります。企業は、仕入れのときに払った税金をあとで差し引くことができ、最終的には「仕入れと販売の差額」にだけ税金を払う仕組みになっています。

また、輸出するときに税金が戻ってくる(還付される)制度があります。企業は売上に伴い計上した税金が返ってくるため、その分コストを下げられ、海外での価格競争力が高まります。

こうした還付制度のおかげで、中国のメーカーは製品を安く売ることができ、世界中で広く使われるようになってきました。しかし最近は、価格競争の激化が問題になってきました。そのため中国政府は、産業の質を高めるために、2026年4月から還付を廃止しました。なお、還付制度自体は日本にもありますが、中国の特徴は還付率を政策的にコントロールしている点にあります。

 

2.どのような部材に影響が出るのか

今回の制度変更により、太陽光発電に使われる多くの部材が値上がりすると考えられています。特に影響が大きいのは太陽光パネル(モジュール)、セル(発電する部分)、ウェハー(材料)で、これらは 5〜10%ほど値上がりすると見込まれています。

さらに、シリコン、銀、アルミといった材料の価格も上がっているため、全体として価格は上昇しやすい状況です。

また、蓄電池も今後少しずつ値上がりが続く見込みです。

 

3.4月の市場

制度が変わる4月は、少し混乱する時期になります。

・まだ安い在庫を持っている会社
・すぐに値上げする会社

が混ざるため、価格にばらつきが出やすくなります

また、3月に買い込みが増えた影響で、在庫の偏りや納期の遅れが起きる可能性もあります。
この時期は、値上げというより「市場が安定していない状態」になります。

 

4.5月以降の市場動向

5月以降になると、状況ははっきりしてきます。

・新しい価格が広がる
・安い在庫が減る

ことで、値上げが本格的に進みます

太陽光パネルなどは

・5〜10%の値上げが一般的
・一部では10〜15%の値上げ

も出てくる可能性があります。

また、材料費の影響が少し遅れて出るため、5〜7月ごろにさらに値上がりする可能性(第二波)もあります。

蓄電池については、今後も継続的に値上がりが続く見込みです。

 

5.国際情勢によるリスク

中東情勢悪化の影響により太陽光発電部材の流れや価格にも影響が出始めています。すでにある商社からは、太陽光発電設備に使用するケーブルの値上げや、納品遅延についての話が出ています。

このような状況が長く続くと、さらに材料輸送コストの上昇や、必要な材料が手に入りにくくなる可能性があります。多くの要因が絡みあい、増値税の制度変更のみならず、国際情勢による外部の影響も価格に関わってくるため、今後も注視していく必要があります。

 

6.まとめ

今回の増値税還付廃止の影響は、
4月よりも5月以降に強く出てきます

・価格が上がる
・在庫が減る

といった変化が起こります。
全体としては5〜15%程度の値上がりを考えておく必要があります。市場は夏に向けて落ち着いていくと考えられますが、蓄電池は今後も値上がりが続く見込みです。

 

7.当社の取り組み

このような状況の中、長谷川電気工業所では、協力会社と連携しながら、市場の動向をしっかり把握し、適切な仕入れを行い、お客様にとって最適な提案をしてまいります。

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