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今回は、事業者向けの、エネルギー関連で使える、3つの優遇税制と2つの補助金についてご説明いたします。
1.中小企業経営強化税制
「中小企業経営強化税制」は、令和4年度末まで適用される優遇税制措置です。
この優遇税制は、以下の類型に分類される設備を導入したときに、活用することができます。
- 生産性向上設備(A類型)要件:生産性が旧モデル比平均1%以上向上する設備
- 収益力強化設備(B類型)要件:投資収益率が年平均5%以上のパッケージ投資
- デジタル化設備(C類型)要件:遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかを可能にする設備
- 経営資源集約化設備(D類型)要件:修正ROA又は有形固定資産回転率が一定以上上昇する設備
具体的な措置内容については、対象となる企業の資本金によって異なります。
- 資本金3,000万円以下の法人及び個人事業主:即時償却又は10%の税額控除
- 資本金3,000万円超~1億円以下の法人:即時償却又は7%の税額控除
この優遇税制は、弊社が提供している自家消費型太陽光発電システム・蓄電池システムを導入する際にも活用可能です。
その場合、上記の「生産性向上設備(A類型)」が活用しやすいです。
参考:https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/index.html
2.中小企業投資促進税制
「中小企業投資促進税制」も上記の優遇税制と同様、「令和4年度末」まで適用される優遇税制措置です。
企業が一定の金額以上の機械及び装置・測定工具及び検査工具・ソフトウェアを導入した場合に、30%の特別償却もしくは7%の税額控除を受けることが可能です。
「中小企業投資促進税制」は「中小企業経営強化税制」と同様に、対象となる企業の資本金によって活用できる措置内容が変わります。
- 資本金3,000万円以下の法人及び個人事業主:30%の特別償却又は7%の税額控除
- 資本金3,000万円超~1億円以下の法人:30%の特別償却のみ
参考:https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2014/tyuusyoukigyoutousisokusinzeisei.htm
3.カーボンニュートラルに向けた投資促進税制
令和5年度末まで適用されます。
産業競争力強化法の計画認定制度に基づき、
- 大きな脱炭素化効果を持つ製品の生産設備、
- 生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備の導入に対して、最大10%の税額控除又は50%の特別償却が措置されます。
エネルギー管理設備の導入で使えるのは②の「生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備導入」となります。
炭素生産性(付加価値額/エネルギー起源CO2排出量)によって、税額控除の内容が変わります。
<炭素生産性の相当程度の向上と措置内容>
3年以内に10%以上向上:税額控除10%又は特別償却50%
3年以内に7%以上向上:税額控除 5%又は特別償却50%
参考:https://www.meti.go.jp/policy/economy/kyosoryoku_kyoka/jigyo-tekio.html
経産省では、令和3年度の採択事例を紹介しています。
例えば、 日本スピンドル製造株式会社様が事例として紹介されています。
- 実施期間:2022年2月~2024年3月
- 生産性向上目標:炭素生産性を77.0%向上する
- 取組の内容: 尼崎本社工場に、太陽光発電設備の増設やLED照明、空調機の更新を実施することで、製品製造に伴って排出されるCO2を削減し、炭素生産性の77.0%の向上を図ります。
参考:https://www.meti.go.jp/policy/economy/kyosoryoku_kyoka/cnnintei.pdf
太陽光発電と省エネの導入で、炭素生産性を向上させ、さらに税制を活用することでお得に設備導入をされています。
次に、今東京都と新潟県で使える補助金情報をお伝えします。
4.新潟市再生可能エネルギー導入促進補助金
新潟市内の工場へ太陽光発電設備及び蓄電池システムを導入する費用並びに、太陽光発電設備を設置するために必要な工事費用に対して、補助金が交付されます。
対象事業期間:令和4年7月25日~令和6年1月31日
補助内容は以下です。
補助メニュー | 対象者 | 補助率 | 限度額 | |
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(1)取得・設置事業 | ー | ー | ー | |
自己保有モデル | 需要家 (市内製造業) | 中小企業 | 大企業 | 3,000万円 |
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第三者保有モデル (PPAモデル) | 発電事業者 | 第三者保有モデルによるサービス契約を締結する需要家の企業規模により補助率を決定 ※企業規模による補助率は自己保有モデルと同様 | ||
(2)改修事業 | 需要家 (市内製造業) | 中小企業 | 大企業 | 500万円 |
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自己保有モデル…需要家が自ら所有する工場へ、自己の負担により、太陽光発電設備等を設置し、所有及び維持管理を行う仕組み。
第三者保有モデル(PPAモデル)…需要家が所有する工場へ、発電事業者の負担により、発電事業者が太陽光発電設備等を設置し、所有及び維持管理を行い、需要家がその設備により発電された電力の自家消費量分を電気料金として発電事業者に支払う仕組み。
太陽光発電設備等を設置した工場において全量消費される必要があり、太陽光発電設備のシステム容量が100kW以上でなければなりません。
5.【東京都】地産地消型再エネ増強プロジェクト
【地産地消型再エネ増強プロジェクト(都外設置)】
予算額 | 29億9,300万円 |
事業実施年度 | 令和2年度から令和5年度まで ※公募は毎年度行います。 |
申請受付期間 | 令和5年3月31日まで |
助成対象事業 | 再エネ発電等設備を都外(東京電力エリア内)に設置し、都外施設で消費する事業 |
助成対象設備 | 再エネ発電等設備(太陽光発電、発電設備と併せて導入する蓄電池等) |
主な助成要件 | ①再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第9条第4項の認定を受けない自家消費を主たる目的としたものであること。 ②再生可能エネルギー発電設備の年間発電量が、発電した電力の需要先の年間消費電力量の範囲内であること。 ③都内に事業所等が所在し、事業者が有する都外事業所に再エネ設備を設置すること ④再エネ設備は助成率に応じて環境価値を証書化し、都内事業所で自ら利用すること 等 |
助成金額 | (1)中小企業、区市町村等:助成対象経費の3分の2以内(助成上限額:1億円) (2)その他:助成対象経費の2分の1以内(助成上限額:7,500万円) |
【地産地消型再エネ増強プロジェクト(蓄電池単独設置)】
予算額 | 29億9,300万円 |
事業内容 | ・事業者が県内事業所に太陽光発電設備、蓄電池を導入する際の経費の一部を補助 ・再生可能エネルギーの導入促進による県内産業におけるエネルギーの転換 |
公募スケジュール | 令和4年6月21日から令和5年3月31日まで ※令和4年4月1日から令和4年7月31日までに契約締結し、かつ、同年8月31日までに交付申請を行ったものについては助成対象とする。 |
助成対象者 | ア 民間企業 イ 個人事業主 ウ 独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人又は地方行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人 エ 国立大学法人、公立大学法人及び学校法人 オ 一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人及び公益財団法人 カ 医療法(昭和23年法律第205号)第39条に規定する社会福祉法人 キ 社会福祉法(昭和26年法律第45号)第22条に規定する社会福祉法人 ク 特別法の規定に基づき設立された法人 ケ 法律により直接設立された法人 コ 上記アからケまでに準ずる者として公益財団法人東京都環境公社が適当と認める者 |
助成対象事業 | (1)再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法第9条第4項により認定された発電事業に用いる者でないこと (2)未使用品であること (3)定地用であること(据え付け工事を伴い、建物の壁や床などへ固定されるもの。可搬式は不可) (4)地産地消型再生可能エネルギー発電設備がすでに設置されている施設に導入する場合は、電力系統からの電気より当該再生可能エネルギー発電設備からの電気を優先的に蓄電すること |
補助額 | (1)中小企業等:助成対象経費の3分の2以内(助成上限額:400万円) (2)その他:助成対象経費の2分の1以内(助成上限額:300万円) |
上記以外にも、地方自治体から補助金が多く出ています。
これらの支援制度を活用して再エネ・省エネの導入をお考えの方は、まず長谷川電気工業所にご相談ください。
冒頭でご紹介している、2つの優遇税制は今期が締め切りとなります。
本日もご覧いただきありがとうございました。